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Tezosチームが最新プロトコルのアップグレードEdoを提案

Updated: Jul 3, 2021


Nomadic Labs、Marigold、Metastateからの共同発表です。


数週間前、「Delphi」がTezosプロトコルへとアップグレードされました。

今週は、最新プロトコルのアップグレード提案「Edo 」を発表させていただきます。


通常、Edo本来の名称は

「PtEdoTezd3RHSC31mpxxo1npxFjoWWcFgQtxapi51Z8TLu6v6Uq」

のハッシュ値です。


Delphiが導入されたばかりですが、なぜ「Edo」が提案されるのでしょうか? Delphiが公開されたのは11月12日でしたがその提案は9月3日でした。公開までの数カ月間、我々はTezosソフトウェアの開発に熱心に取り組みつつ、大幅な改善も行いました。修正点はネットワークのユーザー様と共有したいと考えております。尚、Delphi の中間アップデートが提案された時点にて進行中だった改善点の作業は完了しました。


Tezosプロトコルは現在、数ヶ月ごとに新しい提案が発表されるため、問い合わせ窓口を提供しています。1つの窓口は営業しております。ブログ記事19でも説明していますが、当面この機会を利用し、前回の提案からと違って、数ヶ月間に完了した改善点を取り入れたアップグレードを提案していきたいと考えています。


ほとんどの仮想通貨ネットワークは定期的に更新することができません。また、プロトコル変更に伴うため、高額なコストのお支払いを避ける仕組みもありません。しかし、Tezosには、オンチェーンガバナンスとフォークを使わなくても自己修正できる構造になっているため、チェーンの更新を提案することが可能です。今後もこの仕組みを最大限に活用し、提案される度にTezosをよりより良い仮想通貨にしていきたいと考えています。


「Edo」について:変更点のリストは、このドキュメントの104ページに掲載されています。要約させていただきますと、この提案には何点かのマイナーなバグ修正、パフォーマンスとガスコストの改善点(Delphiのものほど極端ではないにしても)、投票スケジュールへのいわゆる「採用期間」と、我々が取り組んできた2つの重要な新機能が含まれています。(SaplingとTickets)


Saplingは、もともとElectric Coin CompanyがZcashプロジェクトのために開発した、シールド取引を実装するプロトコルです。我々の提案により、スマートコントラクトの開発者は、契約にSaplingを簡単に統合することができつつ、プライバシーに配慮したアプリケーションを開発することができます。Tezosは自己修正が可能のため、この期待感の高い新機能を直接Tezosに加えることが可能になりました。


Saplingは最初の発表(12)以来、Tezosとの統合は大規模なテストを経て、さまざまな方法で強化し、パフォーマンスも向上しました。


Ticketsはスマートコントラクトが他のスマートコントラクトにポータブルな権限を付与したり、トークンを発行したりするための便利なメカニズムです。既存のプログラミングパターンでも実現可能ですが、Ticketsを使用することで、開発者は安全で構成可能なコントラクトを簡単に作成することができます。


「採用期間」は、私たちが以前から望んでいたガバナンス構造の重要な改善点です。プロトコルの他機能と同様に、Tezos プロトコルの修正は修正のプロセス自体に変更を加えることができます。これまでは、新しいバージョンのプロトコルは、投票が完了してから1ブロック後に公開(有効化)されていました。そのため、一部の Tezos ベーカーやインデクサー、その他のネットワークユーザーにとって、アップグレードを保証することが困難になっていました。また、アップグレードが採用されるかどうかは確定できない時期があり、一部のユーザーは最後の瞬間まで準備が遅れてしまう方もいました。

※採用期間は「第5期間」と呼ばれることもあります。


新システムでは、投票期間を8サイクルの4期間ではなく、5サイクルの5期間にすることを提案しています。新しい5つ目の期間である「採用期間」は、新しいプロトコルが採用されてから有効になるまでの間を示す5サイクル(約2週間)の空白期間を設けます。空白期間により、シームレスなプロトコル移行が可能となります。(今後のプロトコル提案では、投票スケジュールに若干の微調整が加えられることが予想されますのでご了承ください)


一部の読者は、かねてから取り組んできた機能である「Baking Accounts」が「Edo」には含まれていないことにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。「Baking Accounts」のソフトウェアは完全で信頼性の高いものですが、有効化された時にチェーンを更新するために必要な移行メカニズムが、シームレスにできるだけのものになっているかどうかはまだ不明点が多いです。過去の移行では、アップグレード時にチェーン上の取引に遅延が発生したことがありましたのと、「Baking Accounts」の移行にはかなりの時間がかかる可能性があることが、我々のテストで判明しました。今後、プロトコルのアップグレードを頻繁に行う予定であるため、これらの移行時間の遅延を改善し、ネットワークへの影響を最小限に抑えたいと考えています。現在も、移行メカニズムの最適化に取り組んでいます。


現在も未完成の機能があり、展開を遅らせないという現在の方針に従うため、「Baking Account」のアクティベートは保留しています。次のプロトコル提案で、もし「Edo」が採用された場合、約3ヶ月後には「Baking Account」が機能するよう事を期待しています。

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